簿記Q&A「車両や車両運搬具など複数の科目があるとき、どれを使えばいいですか?」
はじめまして、まいどどうも、簿記せんせーのひなたまです。
さて、皆様にご好評をいただいている「簿記せんせーが簿記の質問なんでも答えるよー」のコーナーですが、はじまってから3週間ほどの集計でご質問がゼロ件もございました。やった大好評!
というわけで、今回も脳内からお越しのイマジナリー美少女(高校二年インドア派の頼みごとを断れない優しい女の子で二歳上の自由奔放お兄ちゃんに振り回される毎日でもそんな刺激が本当はうれしく)をお招きして、彼女の質問に応えたいと思います。
はい、せんせーは妹属性が大好きです。
では、さっそく質問を聞いてみましょう!
<質問>
「せんせー、質問ですっ! 固定資産の勉強をしているとき、『車両』『車両運搬具』と2つの科目が出てきました。こういった1つの処理に複数の科目があるとき、仕訳にはどれを書くべきなんですか。てか、なんで2つあるんですかッ!簿記関係者ども統一しろオラァ!!(壁ドン)」
<解答>
ふむ、その壁ドンは正しい用法ですね。
それはさておき、説明しますと、問題に指示がなければどちらでも構いません。
実のところ、こういう科目はあるていど企業が自由に設定できるのです。
なので、実務で使う場合はその会社のルールに従って書き、問題を解くときはその問題文や解答欄に合わせて書けばOKです。
解答は、以上になります。
「異議あり!」
いえ、別にムジュンはないです。
「簿記はルールに基づいて決められるもの。企業が自由に決めていいのなら、決算書は各企業でバラバラなものになる。そんなこと認められているわけがない!」
いや、「あるていど」って言ってるじゃないですか。
簿記会計で大切なのは「その会計情報が役に立つかどうか?」です。
株式会社の会計帳簿は、株主が見たり税務職員が調べたりもします。
なので、そういった人たちが見て分かるような常識的な科目名をつけなければならないわけです。
が、逆に言えば「通じればOK」であり、極論暴論を言えば企業が勝手に決めた科目での記帳も合理的であれば可能です。
「待った!」
待ちましょう。
「通じればOKかもしれないが、すべての会社にたった1つの絶対的なルールを守らせたほうが、会社同士で比較するのも楽になるじゃないか。だったら、複数の書き方を許すなんて、会計業界の怠慢じゃないのかッ?(壁バキ)」
唯一絶対のルール、ですか。
はじめて簿記を勉強するとき、私も勘違いしましたね。
簿記には厳格なルールがあり、書くべきベストな科目も決められている――なんて思っていました。
ですが、会計のルールは絶対的なものではなく、時と場合により相対的に変わるのです。
社会においては、多種多様の業種がありますが、それをすべて同じルールで縛ることは不可能です。
また、時代によって「どんな会計情報が必要か」と求められるものも違います。
なので、絶対的なルールで縛るよりも、ある程度は企業の自由を認め、相対的に真実な報告だったらOKにしとこう、っていうのが会計の考え方です。
勉強においては、まず基本の段階はテキストに載っている科目をまず覚えて、変わった勘定科目が出てきた場合は柔軟に対応するのがベストです。
なお、試験のときは時間がないため勘定科目名を省略して書く人も多いです。
「くくく。ならば我は、自動販売機の隙間などに忍び込むあの物体を"G"と名付けようか」
G、いいですね。簿記にはいっぱい出てきますもんね。
「い、いっぱい出てくるのか!」
当然じゃないですか。なので現金を「G」と略す人は多いですよ。
他には「Cash」とか「現」一文字とか、ですかね。
あと、減価償却費は長いので、その英語「depreciation」からDepとか略すのも定番ですね。
ただし、勉強するときは、最初から省略形で書いてしまうと肝心なときに出てこなくなりますので、まずは正式名称を正確にそして漢字で書けるようにしてくださいね。
正確に覚えた後でこういう省略形が使えるようになると、とても便利ですよ。
というわけで、皆さんもうまく省略形を使って、短時間で問題を解けるようになりましょう。
ね、Gっていいですよね?
「いいですねー!」
G最高ふっふー!
「G最高ふっふー!」
Gいっぱいほしいぞー!
「Gいっぱいほしいぞー!」
よし、じゃあGの入った箱をあげますね。我が家の台所にあるんです。
「やったぜ!!」
以上で解説講義を終わります。
もし、なにか不明な点などございましたらおっしゃってください。
また、他のところで気になるところがありましたら、ブログのネタにする代わりにきちんと答えますので、お気軽にご質問ください。
あと、twitterもやってます。気楽に声をかけてやってくださいな。
簿記せんせーのひなたまです。簿記関係の疑問があったら、ブログのネタにする代わりにきちんと答えますので、お気軽にご質問くださいね。 #簿記
— ひなたま簿記せんせー@はてブ (@hinatamaboki) 2016年12月20日
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